歯のホワイトニングは歯科医院で行うのが従来の常識でしたが、費用が嵩む上に通院の時間を確保する手間がかかるのが難点です。
そのため、近年ではすき間時間を利用して自分で処置を施すセルフホワイトニングを選択する人が増えています。歯を白く輝かせる目的と健康管理の重要性を学び、健やかな状態を保ちながら歯を綺麗にすることを心がけましょう。
歯科医院で受けるホワイトニング治療の問題点
ホワイトニングは煙草のヤニや茶渋などの汚れがこびり付いた歯を漂白して綺麗な白い歯に仕上げる処置を指します。歯科医院で行うホワイトニング治療は脱色作用がある薬剤を歯に塗布することで漂白を行い、こびり付いている汚れの色を落とすことで白く輝く歯に仕上げます。
歯科医院で使う薬剤は強力な漂白効果があるので、普通の歯磨きでは落とせない汚れの色素を分解させることが可能です。また、液体の薬剤はどのような形状の歯にも万遍なく浸透することから、歯のすき間のように目視出来ない部分の漂白も出来るのが利点です。
一方、歯科医院で行うホワイトニング治療は医療行為に含まれないので費用の全額を患者が負担することになります。また、同じホワイトニング治療でも歯科医師の技術力の差が仕上がりの良し悪しを左右するので、場合によっては満足出来ない結果になってしまうこともあります。
さらに、個人の体質の違いで漂白用の薬剤の成分が体に合わないことがありますが、炎症や痛みなどの不具合が起きる場合はホワイトニング治療が受けられません。そのため、事前の検査が不可欠になります。なお、ホワイトニング治療は既に付着している汚れの漂白が出来る反面、新たな汚れの付着を防ぐことは出来ません。
白く輝く綺麗な歯を保つためには毎日の歯磨きを欠かさず行い、歯に汚れが付かないように喫煙やお茶の摂取などを控えることが重要になります。
セルフホワイトニングが広く普及した理由
汚れた歯を漂白して白色に輝く状態に改善させるホワイトニングは歯科医院で行うのが普通でしたが、費用が高額化しやすいことと歯科医院ごとに結果の良し悪しが大きく変わる難点があります。また、多忙な人は通院に割く時間の確保が難しいことから、継続した処置が必要なホワイトニング治療が出来ないのも問題点の一つです。
そのため、わずかに生じる空き時間で実施出来るセルフホワイトニングが注目されています。
セルフホワイトニングは漂白作用を持つ歯磨き粉を使って汚れた歯を洗浄する行為です。セルフの名称のとおり、自分で処置を施すのが歯科医院でのホワイトニングと異なる点になります。セルフホワイトニングが広く普及した理由は時と場所を選ばずに実施出来る手軽さにあります。
漂白用の成分が含まれている歯磨き粉を使って歯のブラッシングを行うのが一般的なセルフホワイトニングの手順です。したがって、仕事中の休憩時間など、わずかな空き時間を利用してホワイトニングを行うことが可能になっています。
また、歯磨きやすすぎなど食後のブラッシングと変わらない方法で処置を施せることから、誰でも長く続けられるのもセルフホワイトニングの利点の一つです。
セルフホワイトニングを正しく行うための工夫
セルフホワイトニングは余計な手間をかけずに実施出来る手軽さが魅力ですが、歯を綺麗に漂白するためには正しい処置の方法を守ることが重要になります。歯にこびり付いている汚れの色素を徐々に分解させて目立たなくさせるのがセルフホワイトニングの仕組みです。
セルフホワイトニングは歯を白く輝かせる効果が出るまで時間がかかることが多いことから根気強く続ける姿勢を持つことが重要になります。また、歯ブラシを使って薬剤を浸透させることから奥歯の裏や歯のすき間など、ブラシが届かない部分の漂白効果が低くなりやすいのも注意点の一つです。
セルフホワイトニングを正しく行うためには自分の歯並びの状態を把握し、処置しやすい形状の歯ブラシを用意するのが必須条件になります。例えば、歯ブラシの形状は奥歯の裏側や変形した歯でも綺麗にブラッシングが出来るように、ヘッドの部分が小型で柄が長いのが最適です。
また、人によっては虫歯などの疾患が原因で歯並びが悪くなっていることがあります。歯並びが悪いと歯のすき間が多くなり、普通の歯磨きでは落ちない汚れがこびり付くリスクが増大するので注意が必要です。複数の歯が重なっている部分ではすき間に汚れが入り込み、見えない部分の汚損が進んでいることがあります。
歯磨き粉をブラシで塗布するセルフホワイトニングではわずかなすき間にある汚れを除去するのが非常に困難なことから、場合によっては歯科医院でのホワイトニング治療を併せて行うのが綺麗な白い歯にするための工夫です。
誤った方法によるホワイトニングがもたらす弊害
セルフホワイトニングはしつこい汚れを脱色して綺麗な白い歯に改善させる効果がある一方、方法を誤ると汚れの除去が上手に出来なくなります。また、歯茎の炎症や出血などの健康被害に見舞われることもあるので、セルフホワイトニングを行う際は正しい手順や使用する薬剤の量を遵守するのが安全な処置にするための条件です。
一般に市販されているホワイトニング用の歯磨き粉は安全性を重視して作られているので、説明書の内容に沿った使い方であれば健康被害が起こる可能性は殆どありません。しかし、歯磨き粉の過剰な使用やデンタルケアの放置といった不具合を続けていると歯の健康状態が悪くなり、汚れの再付着や口内の粘膜に炎症が生じるなどのトラブルが起こってしまう可能性があります。
特に、自分の体質に合わないホワイトニング用の歯磨き粉を使い続けると、歯茎の腫れや歯の表面に微小な傷が付いてしまいます。歯茎の腫れは痛みや出血をもたらし、歯の傷は細菌感染による虫歯の発症原因です。セルフホワイトニングを安全に行うには用法や用量を厳守し、口内環境を常に清潔に保つことが大切です。
セルフホワイトニングの効果を長持ちさせる工夫
セルフホワイトニングは漂白効果が出るまで時間がかかるので根気強く続ける必要があります。また、汚れの色素を完全に分解させて白く輝く歯にしても、生活環境によってはすぐに歯の汚れが再発してしまいます。ホワイトニング効果を長く保つためには毎日の歯磨きを欠かさない他、煙草やお茶を止めて歯に汚れが付かないように気を配ることが大切です。
歯を頑丈で良好な状態に保つのもホワイトニングによる美白効果を長持ちさせる条件の一つなので、歯科医院での検査を受けて虫歯などの不具合を防ぐことを心がけましょう。